思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

零戦堀越二郎奥宮正武
☆☆☆★
学研M文庫

原著は昭和27年(占領下?)。読み物というより、軍による設計指示書を多数掲載するなど、歴史研究論文といった方が適切か。最近の本では秦郁彦氏の本のような感じ。

「内外人の認識不足の最大の要因は、わが陸海軍がその軍備をひた隠しに隠していたことにあった。」

「相次ぐわが航空基地の後退(略)関係者以外に時に忘れられがちであったのは、これらの基地に残された多数の整備員のことであった。(略)戦時の急速増産のために、ともすれば粗製乱造気味になりかけていた海軍機の整備に、一大支障となったことを見逃すことはできなかった。」

「わが国が航空優先の掛け声のもとに軍用機を生産した最良の比の時でも、わずかにアメリカの35%にも足りなかった。」

零戦××型というのは、原型(11)から数えて、最初の数字は機体を改造して何回目か、次の数字はエンジンを変更して何回目かを示す。
 零戦52型といえば、原型11型から機体改造を4回実施し、エンジン変更を1回実施し、それぞれ5番目と番目の型の零戦。」