思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『萌えよ戦車学校(3)』
☆☆☆

「萌え」要素は、まあ「図解雑学」シリーズの無理やりな図解と同じようなものだと思えば、まあイラストとしてわかりやすい面もなきにしもあらず。
いわゆる戦争の、政略的な意義だけではなく、具体的な戦略を知る、という面では勉強になる。

ドイツの電撃戦とかも、名前だけは知っていたが、具対的に知ることができたのは面白かった。あとは、ソ連のべらぼうなスケールの大きさだ。人命軽視は、まあ共産党お家芸なのかもしれないが、ソ連の大戦での2000万人死傷者、というからすさまじい。

インパール作戦での日本軍の活躍も忘れてはならない。
何の役にも立たない、ペラペラ装甲の日本戦車、という印象(操作?)なのだが、実はこういうジャングルでの電撃戦においては軽量・快速の歩兵支援車両は実に有効だった、というのがインパール作戦での大戦果につながっているのだ。

あとは、おまけとしてついているドイツのティガー戦車の「萌えマニュアル」が、実際に使われていた、というのが面白いところ。作中でもあるように、なんでも萌え(女性擬人化)してしまう元祖が、第二次大戦中のドイツであったのだ。ってことは、現在の日本の萌えキャラはドイツに輸出してもウケる、ってこと?

萌えよ!戦車学校III型萌えよ!戦車学校III型
田村 尚也 野上 武志

イカロス出版 2008-06-20