ローマ、スペイン、オランダ、イギリス、アメリカ、中国そして(おまけ的に)日本について、その成り立ちからピーク、そして衰退期までを論じたもの。
対談というより、シンポジウム的な交互に発言、という体裁である。
覇権国家の中にスペインとオランダが入っていることになんとなく違和感があるが、いずれも植民地時代には、イギリスと覇を競うほどの大帝国だったのだ。
渡部氏
「アメリカの紙幣は、ニューヨーク連邦準備銀行、サンフランシスコ連邦準備銀行など全国12地区に一行ずつある、この連邦準備銀行が個々に刷っているのです。
この連邦準備銀行の特徴は、日本政府がその株式を55%以上保有する日本銀行とは異なり、アメリカ政府は株式を保有せず、多くの株式を国際金融資本が所有する私立銀行群である点です。
ドル紙幣の発行はアメリカ政府が決めますが、その時にアメリカ政府は新たに刷る紙幣に見合った額の国債を発行し、連邦準備銀行が国債を引き受ける形で、紙幣を刷るのです。連邦準備銀行は国債の利子を受け取れるのでもうかりますし、その利益は配当という形で国債金融資本に還流されます。
結局、アメリカが大量の紙幣を発行すればするほど国債金融資本がもうかる」
こちらも渡部氏
「孫文は、英語の「レボリューション」という単語を日本では「革命」と訳すことを知り、自分たちの運動を辛亥革命と名付けましたが、正確には辛亥独立運動と言うべきだと思います。」