『彼女の狂詩曲 穂端沙羅華の課外活動』
☆☆☆★
無限大型の粒子加速器むげんにライバルが出現。お互いに重ヒッグス粒子の発見に挑むが、むげんの方には民主党政権の(とは明記されてないが)事業仕分けの魔の手が迫る…。
今回のテーマは統一理論ということで、少し脱線気味だったシリーズの本道の続編がようやく登場、と言える。
沙羅華による光量子場仮説は面白いが、大山鳴動してねずみ一匹というか、肩透かしというか、広げた風呂敷は、期待していたほどの畳み方はしてくれなかった。
やはり『神様のパズル』ほどの傑作は、そのテーマの壮大さから考えて、望むほうが酷、というものだろうか。
彼女の狂詩曲 穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫 き 5-8) 機本 伸司 角川春樹事務所 2013-05-15 |