思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『究極のドグマ』機本伸司
☆☆☆★
角川春樹文庫
『神様のパズル』からのシリーズ。今回は迷子の猫探しから、“生命とは何か?”というテーマに挑むことになるのだが…。
結論からいうと、(大いに危惧してた通り)ラノベ化してしまったなあ…。というところ。
ヒロインの設定は以前から典型的だし、それはいいとしても、SF的テーマに対するアプローチが甘すぎる。
小学校の道徳の時間のような結論は許すとしても、そこに至るまでの科学的検証がほとんどないのが致命的。
そのあいだを冴えない主人公とヒロインがツンデレ(ツンツンというべきか?)を繰り広げて間を持たせているだけじゃないか。
とはいえ、初期の作品のような豪速球ばかりだと一生に数作しか書けないだろうから、中身を薄めて数を稼ぐのは仕方ないのかも5しれない。
どうでもいいが、ノコのネーミング、ネヌでも良かったねえ…(^_^;)

究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)
機本 伸司

角川春樹事務所 2011-10


『文豪ナビ 三島由紀夫
新潮文庫
☆☆☆
まず、帯につけるような美意識のかけらもないコピーはなんとかならなかったものか。(それとも、これがタイトルだと言い張るなら、許す)
それはともかく、戦後日本に対して警鐘を鳴らした天才小説家・三島由紀夫は、保守的読書人なら避けて通る訳にはいかないだろう。
が、大学時代に『金閣寺』を途中で挫折した私としては、何からなら読みやすいか知っておきたいということで読んでみた。
読み順ガイドは非常にありがたいが、斎藤孝のエッセイにあった引用を読むと、やっぱり堅苦しいなあ…(^_^;)
ここは内容と長さから、『憂国』に絞るか〜。

文豪ナビ 三島由紀夫 (新潮文庫)文豪ナビ 三島由紀夫 (新潮文庫)
新潮文庫

新潮社 2004-10