☆☆☆★
閉館となる図書館に深夜、全く別の目的で忍び込んだ女子高生と青年たち。
そこへ玩具のヘリコプターが次々と襲いかかって来る。
いったい誰が、何の目的で?そして彼らは生き延びることができるか?
潜入ではなく脱出という違いはあるが、素人がミッションをクリアするというのは山田正紀の初期冒険小説の趣き。
図書館という空間、そして玩具のラジコン・ヘリの特性を生かした、二段構え、三段構えの戦法を繰り出してくるところは、『ジョジョ』を読んでいるかのようだ。
決して爽快ではない犯人の目的や後味の苦味は作者ならでは。