思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

つい最近まで公安の海外部長だった菅沼氏と須田氏の対談。日本では裏社会の経済ジャーナリストとして知られている須田氏が、アメリカに招待されたりと、実は凄い人だというのも分かった。
内容は、確かにマスコミでは言われていない裏情報が多いのだが、そういう知識面ではともかく、思想的には違和感があったのも事実。佐藤優なんかとは話が合うんじゃないかねえ。

「もう警察庁アメリカに手懐けられてしまって、アメリカ当局の言いなりの状態です。(略)日本の当局はアメリカ研修で親米派になってしまう」
アメリカが警察だけでなく、検察までも研修に呼ぶようになった。これは親米派を増やし、日本もアメリカのようにしよう、グローバル化しよう(=日本を弱体化)、というアメリカの超限戦(情報戦争)の一環である。
「グーグルの中国問題(略)。これはグーグルと中国共産党の間の問題のように見えますが、実際は(略)NSA(National Security Agency)というアメリカ最大の情報機関がありますが、ここはインターネットだけでなく、全世界の通信網をすべて傍受している。
須田:携帯電話からファックス、電子メール、コンピューター情報、スパイ衛星まで、あらゆる情報を傍受するエシュロンのことですね。
菅沼:そう、エシュロンです。それを管轄しているのがNSA。そのNSAと裏で組んで事業展開しているのがグーグルなのです。つまり、官民一体もいいところ。アメリカはかように、みんな官主導なのです。」
日本では“官から民へ”などと言われているが、それじたいがアメリカの謀略(情報工作)によるものなのだ。
三沢基地(略)の海側に巨大な通信傍受施設がある。(略)通称「ゾウのオリ」と言われている。(略)ところが、冷戦が終わった頃から、その巨大なドームが5個以上新たにつくられたのです。
 ドームとは何かというと、その中にはパラボラアンテナが入っています。そのパラボラアンテナが、どこに向いているかをドームで隠しているわけです。(略)新設されたドームは(略)軍事用の通信傍受施設ではありません。
須田:つまりエシュロン。それが日本にあるということですね。
菅沼:そうです。(略)日本の(略)通信をすべて傍受するシステムを完成させたわけです。(略)だから日米経済戦争は、見事に敗れてしまったのです。」

日本最後のスパイからの遺言日本最後のスパイからの遺言
菅沼 光弘 須田 慎一郎

扶桑社 2010-12-23