思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

中国へのODAや数々の援助の実態を暴露した対談本。
「古森(略)中国政府は、貧富の格差の拡大を承知のうえで、沿岸部、都市部の最優先開発を進めながら、いまごろになって、「内陸部と沿岸部の貧富の格差を埋めることが必要だから、日本にまたそのための援助を提供してほしい」と要請している。
青木 自己責任を放棄したとんでもない話です。」
「青木 国貿促(引用者注:日本国際貿易促進協会)に参加した企業に取材すると、やはり中国側から、陰に陽に圧力があるといいますね。みな、「正直、自分たちも入りたくはない」と言うんです。(略)国貿促が中国に泣きついているんです。もともとあんな団体は、国交正常化したら必要ないわけです。(略)加藤紘一氏や河野洋平氏が会長ポストにいるのは、このような団体なのです。」
「古森(略)日本の対中ODAは日本自身が決めた「ODA大綱」に完全に違反しています。(略)1992年6月に閣議決定された実施方針です。(略)4原則のうちの「軍事的用途」「軍事支出」「大量破壊兵器の開発」など、さらには「民主化の促進や人権の保障状況」などという項目に軒並み違反していることが明白なのです。」
「古森(略)彼らがよく使うのは「評価」、しかも「高度評価」という表現です。まさに高いところから見下ろして、評価してあげますよという意味です。(略) 「感謝する」という言い方は、中国政府の責任者はほとんどしていません。それに近い言葉を、日本の特派員が意訳するわけです。」
適当な長さの部分がなかったので引用はしなかったが、ODAを決定したのは誰か、効果があったのか?すべてがノーチェックで、誰も責任を問われない、というムチャクチャっぷりもヒドイ。こういうのこを政権交代後に点検・検証・追求するべき部分である。国家間のない民主党にできるわけもないのだが。さらには中国様に不利な証拠ばかり出てくるしね。

終わらない対中援助終わらない対中援助
古森 義久 青木 直人

PHP研究所 2009-01-20