思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

台湾人で、中国的教育も受けた黄文雄氏と、中国も一目おく宮崎正弘氏という、まさに中国情報のプロ2人による対談。

その二人の対談は、膨大な知識が相乗効果のように出てくる、まさに決定版ともいえる一冊になっている。

黄氏の発言「
1990年代、2000年代の現在に至っても、「械闘」と呼ばれる村対村の決闘が、1つの省だけでも年間300回ぐらい起こっている。このとき動員される村人は、多い場合は5000〜1万人を超える場合もある。(略)最近の統計によると、中国では年間にデモや暴乱、暗殺といったかたちの抗議事件が10万件以上起こり、参加人数も、延べ1000万人を超えている。

宮崎氏の発言「
2004年の中国における暴動件数は7万8000件。05年が8万5000件、06年は12万件。
あまりに多いため、もはや公式統計が出なくなってしまった。(略)これらの国家公安部統計の報告書をよく読むと、暴動の統計には、100人以下のものは含めないと書いてある。ということは100人以下の暴動は、そこら中で起こっているわけだ。

世界が仰天する中国人の野蛮世界が仰天する中国人の野蛮
黄 文雄 宮崎 正弘

徳間書店 2008-03