思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

サイボーグ009 (3) (秋田文庫)サイボーグ009 (3) (秋田文庫)

秋田書店 1994-07

上下巻の上巻にあたる、海底ピラミッドを巡る長篇。
ようやくSFとしての大きな流れが出てきた感じ。
それにしても背景のみの見開きとかが多いよなあ…。もしこれが全部アシスタント任せじゃなかったらスゴイけど、そうじゃなかったとしたら、単なる手抜きじゃない?
もちろん、ある程度の効果を上げていることは認めるが、少なくとも現在の雑誌連載では絶対に編集者が許可しないであろう手法である。
おまけにこの巻の最後の回はキャラの絵も乱れてて、かなりしんどそうに感じた。

サイボーグ009 (4) (秋田文庫)サイボーグ009 (4) (秋田文庫)

秋田書店 1994-10

海底ピラミッド編の完結篇。
“主”なる存在も登場し、がぜんSFっぽくなった。今回の主役は004で、人魚がスパイじゃないかと追求するところなど、ハードボイルドでかっこいい。ただ、あまりにも顔の線が少ないので、絵面的にアップには耐えづらいのが難点。
起承転結だけで見れば、SF小説としても通用しそうな結構である。(さんざん書いてるように無駄ゴマが多い上に説明不足なところがある、という欠点を解消すれば)
おまけとして、“主”の正体ではないかとされたサン・ジェルマン侯爵について、作者じしんが登場して取材する、という体で解説してくれるのが楽しい。