『産霊山秘録』読了

天皇の忍者ともいえる“ヒ”一族が、日本の動乱の時には影で暗躍していた、という大河伝奇小説。
まあ面白いし、なるほどと頷く部分もなくはないのだが、歴史ミステリや伝奇ＳＦの傑作『竜の柩』なんかと比べてしまうので、どうしても突き抜けて「面白い！」とは言い難い部分がある。
本能寺の変あたりの歴史資料解釈はちょっと感心するし、幕末の龍馬のあたりは純粋に面白かったりするのだが（それも『風雲児たち』の手助けがあってこそ）。

産霊山秘録

半村 良

集英社 2005-11-18