表に書く時間がないのでとりあえずこっちに下書きです。
タイトルがぼやっと出るのは『ガメラ3』からの樋口スタイルか。
テロップも樋口デザインかな?
冒頭のナレーション的テロップが、日本語明朝体とアンダーラインの下に英語、
というレイアウトが面白かった。
CG関係はどれも欠点は見えない、という世界の最低水準はクリアしているが、
ハリウッド超大作の、解像度的にも実写と区別がつかないところまでは行っていない。
たぶん時間と金(特に後者)の制約のせいだろう。
しきりにガンダム的だと言われるが、それほど感じなかった。
ただ、少女は歌を歌うところからララァ的だといわれるが、
研究機関で育ったこと、
死者を感じると気絶すること、
最初は心を開かないこと、
などの特徴は『ガンダムX』のティファ・アディールにそっくり。
さらにローレライという名称や、超能力による探知、
あるいは高解像度のナビゲーションなども
『ガンダムX』に出てくるものだ。
3つめのやつはイルカの脳をつかったDナビなるものだが。
ま、ローレライという名称はヨーロッパあたりの伝説だからパクリとかいう問題でもないけど。
レイアウト的には庵野秀明と樋口慎嗣のタッグによってかなり燃えるものになっているが、
これがアニメやミニチュアだったらもっと燃えるのに、という感じで、
けっこう戦闘シーンが長くなるとダレてくるのを感じた。
このあたりアニメの手書き力、ミニチュアの実在力などを改めて感じる。
少女役はハーフかと思った。クレジットでは香椎なんとかと出てた。モデル?
キッとした時の表情はいいが、
唯一の女性だし、もっと可愛い/可哀想な感じでも良かったのでは…?
個人的にぺたっとした感じのあの髪型は好きじゃないのもある。
ローレライの設定といい、第3の原爆といい、1佐官の暴走といい(主義的には分かるが)、
どれもアニメ的なんだよな…。
ローレライ・システムのパイプとか、実写で見るとちょっと恥ずかしい。
逆にアニメならハードな設定だし、かなり燃える作品になったろうに…。勿体ない。
潜水艦1隻と艦隊、という構図にしても『沈黙の艦隊』であらゆるバリエーションを見ていたので、
それほど意外なものも燃えるものもなかった。
意外といえば、潜水艦の砲塔が旋回するのには驚いた。
第二次大戦ファンには常識なのかもしれないが。
注水区画に取り残される人や、ガス発生区画に入って修理する、
などは潜水艦映画の定番イベント。
最終決戦に向けて非志願者を退艦させるのは『ナディア』以前にも元ネタがありそうだが…。
いちおう史実に則っているので第3の原爆が落ちないことは知っているわけで、
緊迫感という意味ではどうしても一段弱くならざるを得ない。
山田風太郎みたいにそんなことを何ら感じさせない時代小説を書ける人もいるが。
クライマックスの爆発がもうひとつ迫力がなかったのも不満。
せめて平成ガメラ3部作くらいにはやってほしかったなぁ…。ウソでも。
結末も不満。
あのアメリカ艦隊に囲まれ、魚雷が1発もない状況で、しかも浮上中のところから
逃げられるはずはないのだが…。
あまり意味もなさそうなエピローグをやるくらいなら、
任務を全うした伊合は悲壮に撃沈されるほうが収まりが良かったんじゃないかな。
さんざん文句を書いているようだが、
邦画のスペクタクルものとしては水準以上の面白さは保証できる。
あの『ガメラ3』の樋口監督だから、もっと面白いものを見せてくれる、と期待しすぎた。