思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

スターシップ・オペレーターズ

スターダスト・メモリー(後)」
激しい艦隊戦(艦隊といっても2対4だが)のわりに、イマイチ盛り上がらないのはなんでだろう…。
思うに、人間描写がユルいのと、テンポが悪いのと、
なんとってもCG製の艦というのが迫力を削いでいるのだと思う。
コンピュータ画面はCGでもいいと思うけど、船じたいはセル画のほうが“力”が出る。

宇宙空間戦闘において、撃ち合いで反航戦(しかも加速バンバン)というのは、
まずあり得なさそうに思うのだが。
一撃離脱(敵をかすめて逃げ去る)という戦略ならともかく、
撃滅を意図するなら、順航戦でしょう。

あの速度で一旦かわされたら今回描かれた戦艦のように戻ってくるのはまず不可能だ。
何故か、というと
1.プラス速度を一旦ゼロにまで減速し、
2.マイナス速度を接近時まで出し、
3.さらに敵の位置までの距離を辿り着き、
4.過ぎ去った時間を取り戻さなければならない
からだ。
敵の数倍のプロペラントと加速能力を持たなければとうてい不可能なことが分かるはず。

なにせある程度リアルな作品だから、
これくらいのツッコミは当然予想しているはずなのだが…。
このへんの考証をする人はいないのだろうか?

レーザーで艦体表面温度が上昇し、艦内温度が上昇し、
放熱システムが追い付かなくなってから爆発する、
というあたりの描写は良いと思うが。