思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

「ULTRAMAN」

表にアップしてないけど、とりあえずこっちに先行アップしてしまおう。
加筆・修正して表にアップするのは土曜か日曜になりそう。

まあ見終わってみれば普通の特撮怪獣映画なのだが、随所で良いポイントがあった。

逆に悪いところから行くと、相変わらずスタジオ撮影のデイシーンなんかは「いい加減にしたら」という感じ。

良いところは、まず冒頭のF15の発進までのシークエンス。フラップなどの細かいカットなどは、メカファンには堪らない。さすがに自衛隊の全面協力だけのことはある。別所哲也演じる主人公が飛行機好きというのはいいのだが、それがウルトラマンになって、飛翔能力を得た時に嬉しさのあまり敵怪獣“ザ・ワン”を放り出して飛び回る、という無邪気さ(アホさ?)を表わしてしまうのはどうだろうか。予告編を見た時はてっきり敵が空へ逃げたのを追いかけるために飛ぶんだとばかり思っていたが…。

怪獣が宇宙からやってきた悪魔に取り憑かれた人間、というのはありがちだが、本体である大澄賢矢の人権(?)問題については、なんとなく忘れられた感じ。「もう人間じゃない」でケリをつけたのかもしれないが、ちょっと人命という点では弱いかも。

親子・家族というテーマではちょっとやられた。息子の看病、そして出撃では不覚にも…。年々涙もろくなっているなぁ…。

カラータイマーが点滅しているのに別所哲也の命を削って戦う、というのは「ウルトラマン」的には反則じゃないだろうか。シリーズを見ていないのでそのへんのお約束、反則の例を知らないから何とも言えないが…。でも、それを無視していも、続編がある、という本編終了後の特報は納得できない。本作のラストでは、ウルトラマンの命と引き替えに別所哲也と息子の命を助けた、と考えないと辻褄が合わないから。

ザ・ワンの第1形態の後ろ姿が『GODZILLA』そっくりなんだけど…。

ウリの1つである板野一郎演出による空中戦だが、元がF15乗りということだし、もっと旋回とか、量感を持ってじっくり描いたら良かった気がする。支援に出てくるF15すら板野サーカスしているのが、前半のリアルな描写とかけ離れているので、ちょっと浮いている。

切られたザ・ワンの翼が、元のカラスに戻るというのは良かったが、最後は爆発しなかったのでカタルシスに欠ける。スペシウム光線が浄化っぽく描かれていたのだが、それなら大澄賢矢に戻るとか、そういう演出が必要だろう。

結論としては、人間ドラマとしては良かったが、特撮そのものは十年一日


そうそう、続編は「ULTRAMAN 2」と出てたけど、「RETURN OF ULTRAMAN」か「ULTRAMAN RETURNED」でしょ。