思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

爆発の仕組みを化学する

齋藤勝裕
☆☆☆☆
C&R研究所


「江戸時代になると(略)硝石の輸入も途絶え(略)日本版の硝石製造法です。
 トイレに藁などの植物を積み重ね、その上に尿をかけるのです。数年もかけ続けると硝酸菌が発生して尿の中の尿素つまり簡単にいえばアンモニアを硝酸に変えます。そして、それが植物中のカリウムと反応して硝酸カリウムになります。
 この藁を取り出して水で洗い、その洗液を大きな窯で煮るのです。」

「1687年、同盟軍がアテネを攻撃したのですが、まさかキリスト教徒が元教会だった建物を攻撃することはないと思い、パルテノン神殿に武器弾薬を貯蔵していたのです。
 しかし、期待に反して同盟軍はアクロポリスを砲撃し、そのうちの1発がパルテノン神殿に落下しました。貯蔵されていた火薬は引火爆発し、パルテノン神殿は2日間燃え続けたといいます。これが、パルテノン神殿が現在の姿になってしまった理由」

ヒンデンブルグ(略)ドイツも設計段階では飛行船にヘリウムを詰める予定でした。しかし、当時、ヘリウムを生産するのはアメリカだけでした。ドイツはアメリカからヘリウムを買おうとしましたが拒否されました。(略)しかたなく水素を飛行船に詰めた」

エアバッグは(略)0.01秒の単位で風船のようなものに空気を吹き込まなければなりません。こんなことができるのは爆薬だけです。エアバッグは火薬の爆発によって開くのです。」

「雷の通路(光)の周囲の空気温度は3万度近くに達するといいます。太陽表面温度の5倍近い温度です。このため空気は急激に膨張し、衝撃波を作り出します。これが、雷の音の原因になります。」