『不肖・秋山優花里の戦車映画講座』青井邦夫監修
☆☆☆☆
廣済堂
イカロス出版から、映画の中の兵器を扱った本もあるが、本作は、まさしく私のような『ガルパン』から戦車ファンになり、そして映画ファン初心者にはうってつけの一冊。
監修者を始め、複数の執筆者が、戦車が少しでも登場する映画を紹介する。
本書最大の特徴は、その戦車が何かを解説しているだけではない。本書を通読すると嫌でも分かるが、戦車が登場する映画では特に、別の戦車が別の戦車のていで登場することが多々あるのだ。
それは、無改造で、マークだけつけたものから、上から被せたもの、映画のために作ったレプリカでも完成度は玉石混淆。
全ての戦車の細部を見分けられるマニアでなければ、どこがどう違うか、という指摘は非常にありがたいのだ。また、メイキングを知らないと分からない、改造の元となった車輌(戦車から装甲車、作業用重機まで様々)を解説してくれているのも面白い。
オールカラーだが、写真どころかイラストもないページもあり、構成的にはもったいないところも。
また、ここまでやっているのに、写真は宣材スチールだけで、登場戦車がまったく写っていないものも多数。どうせなら、出てくる戦車のキャプチャー画像が欲しかったところだ。
ただし、今後見たい映画を探すガイドブックとしては必要十分。
ちなみに百作品以上掲載されているなかで、見たことがあるのは27作品。戦前の作品もいくつもあるので当然DVD化されていない作品や、ソフト化されていない作品も混じっているので、4分の1ならまずまずかな?
なお、巻頭と巻末には『ガルパン』最終章のあらすじ、ガルパン仕様プラモの紹介もついている(別にいらなかったけど)。
不肖・秋山優花里の戦車映画講座 (廣済堂ベストムック) 青井 邦夫、杉山 潔、石井 誠、岡島 正晃、大久保 義信、高橋 ターヤン、山崎 龍 青井 邦夫 廣済堂出版 2017-11-20 |
『アーマーモデリング』
☆☆☆★
現用アメリカ陸軍特集。
ほとんどが別冊『タクティカル・モデリング』に収録されているものだった。ただし、謎なのが、表紙のいちばん後ろにいる黄色い装甲車。本書のどこにも作例がないどころか、実車解説すらないのだ(たまに、こういう幽霊現象的表紙、あるよね)。
岡プロの現用戦車作例コーナーは、アオシマのリモコン10式という珍しい企画なのに注目。
Armour Modelling (アーマーモデリング) 2012年 10月号 [雑誌] 大日本絵画 2012-09-13 |