思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『リケジョ探偵の謎解きラボ』
☆☆☆☆

タイトルから推測できる通りの内容。雰囲気は『恋と禁忌の……』に非常に近い。同作よりも、恋愛関係が少しずつ進展して行くところも、恋愛もの苦手な私でも微笑ましいくらい良い塩梅。
ミステリとしては、まさしく「21世紀本格」のそれ。要するに、特殊な知識がないと、真相が推理できないタイプの作品。
古典的なド本格ではアンフェアの烙印を捺されるタイプだが、タイトルからも、その種のミステリであることは提示されているので、不服は出ないだろう。要は、読者が「へぇ、そんな現象や物質が存在するのか」と納得できるジャンルの新しい知識を提供できるかどうか、セレクトのセンスが問われる。
本作は、先述の恋愛模様や、ホワイダニットを含め、小説としても良く書けているので、推理「小説」として、特にラノベのミステリーが好きな人には絶対にオススメできる。

リケジョ探偵の謎解きラボ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)リケジョ探偵の謎解きラボ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
喜多 喜久

宝島社 2017-05-09