思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『高地戦』
韓国映画の戦場シーンといえば、土が飛び散る、というイメージがあるが、本作も例にもれない。『プライベート・ライアン』ばりの派手な手足が千切れるのは、最後の戦いであるくらい。
純粋に、見たことがなかったシーンは、航空機の爆撃で岩肌が砕け、その周辺の少し離れた下方が衝撃で(雪ではなく砂だが)雪崩が起きることころ。
本作は、配給会社が、売るために全面的にネタバレを推進しているパターン。宇多丸師匠はそこを避難しており、私は幸いにも、事前情報なしで見たのだが。


どんでん返しのネタバレ要するに



停戦の締結が両軍それぞれに知らされ、戦争は終わったとすれ違っても戦わなかったのに、その1、二時間後に、停戦発行までに12時間あることが知らされ、その間にできるだけ攻め込んでおこう、という作戦が実施されることになる。これは政略的にはまことに最もな考え方である。従って、本作の、フィクションとしていじわるいところは、軍の連絡系統から、停戦と最終作戦が同時に伝えられるのが普通なのに、まずラジオで前線の両軍に知られ、その後で正式な命令が来る、ということ。しかし、山奥だから、連絡に時間がかかるのは当然で、そのあたりの脚本的には齟齬がないのだ。

“あの”韓国の映画である、と言うところを除けば、特に欠点もなかったが、とりわけ良かった点もなかったかな。中の上、くらい??

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ファイブスター物語(14)』
☆☆☆☆★
ロボファンは必見。400機はともかく、新デザインのロボットが続々登場する。その新登場っぷりの量は、これまでの13巻でもぶっち切りかも。
デザイン的には、バーガ・ハリ“コブラ”など、四方に伸びた空間支配感は、もはや現代美術的ですらある(立体にしてみれば一目瞭然なはず。早く模型化許可して〜)。
他で言及しているのを見たことがないが、モーター・ヘッド時代からちょくちょくあったのがだ、特にGTMになってから、植物モチーフのロボットが増えて来たことも、さすがは永野オリジナリティ。植物モチーフのロボって、「勇者シリーズ」の1話使い切り敵ロボくらいしか記憶がなく、ましてや主役級(『ファイブスター』の場合、ナイト・オブ・ゴールドやレッド・ミラージュが主役級という他は、雑魚ロボと言う概念が当てはまらないので)に植物モチーフのロボというのは極めて斬新。(ピントこない人のために敢えて1つあげれば、ボイスオーバーの頭部とか)
なお、マンガ表現としては、特に意味のない横長の1コマが続くとか、残念ポイントも散見されるが、まあ、その辺のデメリットは、メリットを補ってあまりあるので。

ファイブスター物語 14 (ニュータイプ100%コミックス)ファイブスター物語 14 (ニュータイプ100%コミックス)
永野 護

KADOKAWA 2018-02-10