思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』
☆☆☆

いわゆる実録もの。「許すまじ」と言う言い訳の元、エロ・グロ全開。司法解剖医が、「なぜ女は凄惨な殺人を行うのか?」と調査・回顧すると言う艇で、結局は5、6つのエピソードを並べている。
ただ、その中には明らかにサイコパス的な連続強姦殺人の男の話もあったりして、単なる実録犯罪史、と言う感じ。
いきなり女体の体を解剖で切り開く(もちろん作り物)とか、壁に埋められた屍体の顔にウジが湧いているなどのグロ描写が。特に後者は造形ですればいいのに、生身の人間がやってるので、まぶたがピクピクしていたりする(^_^;)
あとは、いつの時代だよ!?と言う斬首とか、絞首刑とか、殺人シーンでは血がピュッピュッ飛び出したりする。
エロでは、塗ればが多く、おっぱいも5、6人分も脱いで見せてくれる。
一押しである「阿部定生出演」(?)も、当時を知らない私には本物か偽物か、灌漑すらないが、そもそも事件自体を知る意味では面白かった。ただし、眼目では「愛しい人と一緒にいたいから体の一部を切り取った」と言う
一言で済む内容を、週刊誌的に人情噺をつけた感じ。
映画としては、まず冒頭の解剖シーンがあり、主人公が事件記録をもとに、関係者に話を聞く。そこで回想シーン的に各エピソードが始まる。そこではまずクライマックスがあって、さらに時系列が前に戻る、と言うややこしい構成はなんとかならなかったものか。オムニバスなんだから、それぞれはシャッフルしなくても…。

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東映ビデオ 2005-10-21


君の名は。
☆☆☆
基本的に天邪鬼なので、大ヒット、とか言われるとアラを探したくなる。
普通に見ると、新海誠細田守(特に『時をかける少女』と『サマーウォーズ』)を足して二で割ったような感じで、お互いの良い点が減殺されている残念な感じ。新海作品としては、しょぼいキャラはそのままで、最大の特徴である美しい色彩設計が減衰している。一部には頑張っているカットもあるけど。
大ヒットなので、早速ネタバレ。
SF好きとしては、こんなめちゃくちゃな時間SFはないやろ〜と思う。百歩譲って『修羅の終わり』みたいに交わらないのならいいけど、交わるどころか、しまいには出会っちゃうんだもんなぁ…(´д`)
入れ替わりが突然描かれるのも、序盤はテレビ用編集でカットされたか?と危ぶむくらい唐突。まあ入れ替わり最初の1ターン目を端折ったのは斬新といえば斬新な演出だが、それが効果的かといえば疑問だ。
宇多丸師匠も指摘していたが、まずはこんな大事件を主人公が知らなかった問題。
もしかして今回奔走したことで、時間改変後の時間軸では隕石が落ちなかった、あるいは誰も死ななかったから大事件にならなかった?とも思ったが、前者ならともかく、結果的に本作で描かれた後者の設定でも無理がある。
みんなを避難させるシーンは、かなり伊藤脚本、つまり『P1』とか『ガメラ2』っぽい。ほとんどパクリと言って過言ではないほど。
随所に歌が入るのも鬱陶しかった。説明過剰というか、「盛り上がるところですよ」という演出過剰というか、レコード会社のゴリ押しというか…(´д`)
ラストでタイトルが出るのも、1テンポ遅い。セリフと同時に出さないと!(´д`)

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田中将賀

東宝 2017-07-26


『モデルアート 2018年02月号』
☆☆☆☆
筆塗り特集。別冊はいくつかかっているが、実は本誌を買うのは初めてだったりする。なぜならスケールモデルに特化した、おじさま向けの雑誌、という敷居の高さ(地味さ)があるからだ。
今回の特集は筆の選び方はもちろん、何回か塗り重ねる際の、1回目のムラムラ、2回目のムラが残る状態などの途中写真が、ムラがはっきりわかる写真が掲載されていたから。こういうのこそ初心者に役立つ記事ですよ!
少し前の「ホビージャパン」の筆塗り特集よりもはるかに為になった。

モデルアート 2018年 02 月号 [雑誌]モデルアート 2018年 02 月号 [雑誌]

モデルアート社 2017-12-26