思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『虚実妖怪百物語(急)』
☆☆☆☆★

相変わらず馬鹿会話が水増ししていて、それがなければ一冊で終わるプロットである。
しかし、それこそがメインストーリーと密接に関連しているのだ。このへんは『うぶめの夏』や『エンディミオン』二部作とも通じる。
クライマックスのオール妖怪大激進は、さすがに言及されていないが(近親憎悪?)、『映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン』を連想させずにおれない。今、「妖怪」を語るなら、肯定するにせよ否定するにせよ、触れないわけにはいかないはずだが…。あとは、『平成狸合戦ぽんぽこ』とか(´д`)
また、クライマックス後の全ての謎が解ける展開は、伝奇ものだと思っていた読者のドンデンをひっくり返す(馬鹿話だと感想の文章もおかしくなるなぁ…)衝撃の結末。
平太郎と水木しげるの扱いなど、引っ掛かっていた点が伏線であったことが分かってスッキリ。

虚実妖怪百物語 急 (怪BOOKS)虚実妖怪百物語 急 (怪BOOKS)
京極 夏彦

KADOKAWA 2016-11-05