思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『天使と悪魔』
☆☆☆★

ある人の、本作続編『インフェルノ』の評にあった表現を思い出したが、ローマの観光名所を周りながら、見立連続殺人事件てミステリーでもある、ヒットする舞台は整っている感じ。
赤茶色風に寄せたカラー調整、アップとロング、空撮、アクティブなカメラワーク、スピーディーな編集など、取りあえず最低限の面白さは保証されている。
ただし、宗教的、科学的にはツッコミどころは多い。そもそも反物質があんな小さな透明容器で保存できるの?光ってるのは映画的ウソなのは分かるけど。テーマ(ミステリー的にはネタバレか)としても、前からある「粒子加速器ブラックホールを作ったら地球が終わる」的な話しを「反物質」に変えただけだし。
キリスト教映画としても、イルミナティ陰謀論)ものとしても、前作『ダヴィンチ・コード』に比べると非常に薄味。
まずはアクション成分を増量した路線というところか。
さすがにトム・ハンクスは安定の演技っぷり。
ミステリーとしては、中盤には二択に絞られたので、犯人当てとしての難易度は低めか。
ところで、タイトルの意味はよくわからなかった。天使は犯行現場の手掛かりに出てくるが、イマイチ印象に残らない。

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2015-08-28


『ミリタリーフィギュアの作り方』
☆☆☆☆

あとがきに「ミリタリーフィギュアの作り方を体系的に解説したものは初めて?」とあるが、確かに、キャラ系でもなく、ジオラマのついででもない製作ガイドはなかったかも。この後、5年後くらい、ようやく今年の雑誌「アーマーモデリング」で「フィギュアを塗ろう」という傑作特集が組まれたくらい。実は内容的にはそちらのほうがより初心者向けなのだが。
ただし、ブレンディング技法に関しては本書のほうがしっかり解説している。油彩や修正のコツ、ポーズ変更など、中級者向けかも。
欲を言えば、あとがきによるとフィギュア16体が取り上げられているが、結局似たような事の繰り返しなので、どうせなら、数は半分でいいから、写真(紹介する過程・工程)の数を倍にして欲しかった。

ミリタリーフィギュアの作り方ミリタリーフィギュアの作り方
仲田 裕之

新紀元社 2012-07-31