『これが物理学だ!』ウォルター・ルーウィン著/東江一紀訳
☆☆☆★
文藝春秋
まえがきによると、講義そのものは、でんじろう先生みたいで面白そうだが、この著書にはそれは二割くらいしか表せていないのではなかろうか?
記述じたいはよくある洋書と大差ないのだ。もちろん、及第点以上ではあるが……。
「ヘルクレス」表記が気になったが、最近はそう書くのがトレンドなの?「ヘラクレス」でしょ?
「髪の毛が一本一本がプラスに帯電したらどうなるか? 髪の毛は互いから逃れようとしてさかだつのだ。」
「科学者が実際にやっていることの多くは、研究への助成金を求めて、競争の激しいプログラムに申請する企画書を書くことだ。」
「気球はそれ自体が巨大なものだ。(略)完全に膨らませて高度4万4000メートルまで飛ばすと、直径は72メートルに達する。(略)気球一基とヘリウムだけで70万ドルを超える。(略)望遠鏡に比べればまだ安価だった。望遠鏡はどれも極めて精密な機械で、(略)価格は100万ドルーー現在の価格で400万ドルだ。」
「内側から星をたいらげてしまう小さなブラックホールは存在しないと言っていい。(略)2×10-5グラムのブラックホールの寿命は、約10-39秒だ。ということは、ブラックホールの発生に要する時間よりも速く蒸発してしまう。つまりは、発生することさえ不可能なのだ。」
これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義 ウォルター ルーウィン Walter Lewin 文藝春秋 2012-10-13 |
タイトルからして、このテのムックは期待してなかったのだが、内容は(シミュレーション戦車バトルを除けば)ハードな内容。
ハードカバーの戦車本なんかと勝るとも劣らない内容。イカルス編集部が真剣に書いている感じ。
ラインメタル砲と滑空砲では、ライフリングが痛みやすいので、滑空砲の方が長持ちする、というのは知らなかった。
写真についても、意外とかっこいい(シチュエーションの)ものがあって、戦車ファンなら押さえておいて損はない。
戦車VS戦車2015 (イカロス・ムック Jグランド特選ムック) イカロス出版 2014-12-18 |