思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

最近ノンフィクションとか対談ばかり読んでいたからもしれないが、おどろくほど文章によどみがないのに驚いた。
読みやすいのはもちろん、(最初の「僕」のくだりは意図的なので)欠点が見あたらない。
まあそれはともかく、ミステリとしても水準以上に面白い。
作中で堂々と『占星術殺人事件』を挙げているが、このあたりは昔の西澤保彦と同じく、原案(アイデアの元)ではあるものの、明確にそれを越えた、という意思表示であろう(ジャンルは違えど、『トップをねらえ!』サントラの田中好平のライナーなども同じ)。
弦矢という探偵がいながら、被害者の同僚が探偵に加わり、おまけに警察も犯人を追っている、というある意味通常の3倍面白い構成になっている。
ラストはどんでん返しの大サービスもあり、大満足の読後感。

六蠱の躯  死相学探偵3 (角川ホラー文庫)六蠱の躯 死相学探偵3 (角川ホラー文庫)
三津田 信三

角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-03-25