思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『成功学キャラ教授』読了

雑誌「ファウスト」連載中から期待して(立ち)読んでいたが、このたび後半書き下ろしで単行本化。
めちゃくちゃ簡単に言うと、主人公がキャラ教授なる人物の成功学を十回受講する、というもの。
どこかで読んだ連載前の予告では、いろんな自己啓発本の共通項/エッセンスを抽出したものになるとあって、確かにその通り。作者の百冊には及ばないまでも、十冊以上は読んでる私が言うんだから間違いない。
そういう訳で、知っている考え方も多かったが、初耳のこともあった。
さらに、最後にはミステリー的なオチもあって、作品的にそういう仕掛けはないと思ってたこともあって、意外な驚きだった。
「あっという間――とは実は過去の事件ではなく、それを回想する一瞬のことなのです」
「人間の脳はおもしろいもので、質問を与えられると、意識していなくても答えを考え続けます。」
「異性にモテまくっている同性に(略)ハラが立つのは、モテる人物の中に透けて見える自分め持っているモテたい衝動を己の弱さと感じ、嫌悪しているからです」
というあたり。
しかしこれ、以前から提唱していた読書による「ノーリスク・ハイリターン」の実現形というか、ある意味では流水大説の最高傑作かも。作者が毎回「最高傑作です」って言ってたのも本書を見れば理由をナットクできる。
自分の本を読んで地面に叩きつけられたり、燃やされたりしてもプラス思考できるっていうのが凄い。さすがだ(^_^;)