思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『無愛想のススメ』池田潤
☆☆☆★
光文社

要するに、自分に素直になれ、ということ。『ブッタとシッタカブッタ』と同じこと。220ページもかけずとも、2、30ページで済むような内容だが……。
まあ、他人の評価、ことに「こうしたら嫌われるんじゃないだろうか」と心配して、他人におもねる必要はない、ということ。

「人は、自分が自分に許していないことを臆面もなくする人を嫌う。(略)誰かが誰かを嫌うのは、嫌う側に理由があるのだ。」

「自分からアクションを起こすことを心がける。その際、相手の反応や短期的に出た結果には無愛想になる。自分からアクションを起こしたという事実を大切にしよう。」

『第四の暴力』深水黎一郎
☆☆☆★
光文社

貴重な右翼作家が、マスゴミ問題を取り上げた中編集。貫井徳郎を右寄りにした設定で、石持浅海を極右にしたようなブラックなストーリーが展開する。
ただし、マスゴミ批判の内容そのものは、インターネットや、ネットテレビを見慣れた人には常識なことばかりであるため、新知識はほとんどなかったけど。

『生存者一名 あるいは神の手』☆☆☆★
村を襲った崖崩れの唯一の生存者・樫原が体験した、避難所でのマスゴミの横暴。本書中では、本作にのみミステリー的な仕掛けがある。


『女抛春の歓喜 樫原事件のない世界』☆☆☆★
紛らわしいタイトルだが、次の中編と異なり、前作の直接の続篇と言える。主人公は別人だが。テレビの制作者側から、そのハチャメチャぶりが描かれる(読者に暴露される)。


『童派の悲劇 樫原事件のある世界』☆☆☆
石持浅海的に、テレビタレントヘイト禁止法が成立された世界の不条理を描く。オチに当たる部分なのだが、本作の場合は別にいいだろう(^_^;)前半は、視聴者から見たテレビの有害さが書かれている。

ゴジラVSメカゴジラ
☆☆☆★

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』でオマージュされていた元ネタの確認の意味も込めて再見。
音声解説は数年前にも観てますが、普通に観るのは10年以上ぶり?

『クボ 二本の弦の秘密』
☆☆☆★

ずっと「クボニ」だと思ってた(^_^;)
米国人が、日本の時代劇を、明らかにおかしい点がなく作り上げた、というだけでも凄い。
もちろん、細かく言えば、ムーンキングが「中国」っぽいとか、ツッコミ所はいくつもあるのだが…。
ストーリーは、はっきり言って、ピクサーと日本の子供向けアニメとかを合わせた感じ。クライマックスにムーンキングがクボに語る内容なんて、まるっきりシスやダース卿がジェダイを勧誘するセリフまんまやし(´д`)
本作が凄いのは、ストーリーとかテーマとかどうでもよく、アクション。
全体を通しても、CGかと信じられない質感(これは貶してると言えるかも)、と動きの滑らかさ。多分CGで水や壊れたものの破片とかを足してるんじゃないかと思うけど…。また、エンディングのメイキングを見ると、完全なストップモーションというより、アニマトロニクスを使ったゴー・モーション的な側面もあった。
アクションの中でも、バトルシーンは一級の日本のアニメと引けを取らない、文句なく最高級の動きと演出である。
キャラとしては、仮面をつけた暗殺者姉妹がめっちゃ格好良かった。この辺だけなら☆☆☆☆☆と言っても過言ではない。
逆に、それ以外はピクサーが作る支那人っぽくて好きになれなかったなぁ…。

『ローリング・サンダー』
☆☆

事前情報なく、タイトルの格好よさだけで観てみた(^_^;)
原題も同じ。
ベトナムで捕虜となり、拷問も経験した少佐が、数年ぶりに帰国してみたら、妻は死んだと思って隣の男といい仲になってるし、拷問のブラッシュバックにも苦しめられる。
いったいどんな物語なのかと思ってたら、主人公の家に強盗が押し入り、復員記念にもらった銀貨を奪い、ついでに右手を切り、妻子を殺して行く。これが直接描写しないし、元から単独行動も多かったので、だいぶ後になってようやく「あのとき死んでたのか」と気づいたレベル。
その後は、右手をフック船長ばりのカギ爪にし(当時の義手の定番なのか、特殊な演出意図に基づくものかはよく分からない)、ガールフレンドと共にメキシコへ復讐の旅に出る。
ところが、標的の居所を突き止めたら彼女は映画から退場し、序盤に出ていた旧友の軍人と武装して再出動する。カタキの住みかが売春宿なのは、単に裸を見せるためのサービスか?
カタキを射ち、止めの一撃をお見舞いしたら、即座にエンドロール、という潔さは唯一の評価ポイントかも。どうせなら、カギ爪でカタキの傷口をえぐるとかのカタルシスがあっても良かったんじゃないかなぁ……。
粗筋から分かる通り、ほとんど『ランボー』。チャック・ノリス主演でもいいくらい(^_^;)

見る動機になったのが、若き日のトミー・リー・ジョーンズが見られること。現在とは、晩年のアーネスト・ボーグナインくらい違う(?)。

『だまされた! 「だたしのプロ」の心理戦術を見抜く本』多田文明
☆☆☆★
方丈社

数多くの事例を紹介したこれまでの本と違い、ある程度角度を変えて、騙しの手口別に、一冊の本としてまとめたもの。ただし、内容的には類書と同じ(^_^;)

「だまされないためには金額を値切るなどして、簡単には相手の言いなりにならない姿を見せて、カモ度の評価を下げされることが大事」

「今は転送などの手段によって、電話番号の表示をいくらでもカモフラージュできる」

「悪質業者は最初の声かけで見込みのある客かどうかを判断するので、門前払いすれば「見込みなしの客」と思って、あっさりと引き下がることが多い。」

「「断ったのですから、帰ってください。それに二度と家に来ないでくださいね」と言うのもいい。訪問販売や電話番号のでの勧誘において、一度断った相手に再び勧誘をしてはいけないという「再勧誘の禁止」が定められているからである。「法律で決まっていますよね」とダメを押すのも効果的。」