思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『第四の暴力』深水黎一郎
☆☆☆★
光文社

貴重な右翼作家が、マスゴミ問題を取り上げた中編集。貫井徳郎を右寄りにした設定で、石持浅海を極右にしたようなブラックなストーリーが展開する。
ただし、マスゴミ批判の内容そのものは、インターネットや、ネットテレビを見慣れた人には常識なことばかりであるため、新知識はほとんどなかったけど。

『生存者一名 あるいは神の手』☆☆☆★
村を襲った崖崩れの唯一の生存者・樫原が体験した、避難所でのマスゴミの横暴。本書中では、本作にのみミステリー的な仕掛けがある。


『女抛春の歓喜 樫原事件のない世界』☆☆☆★
紛らわしいタイトルだが、次の中編と異なり、前作の直接の続篇と言える。主人公は別人だが。テレビの制作者側から、そのハチャメチャぶりが描かれる(読者に暴露される)。


『童派の悲劇 樫原事件のある世界』☆☆☆
石持浅海的に、テレビタレントヘイト禁止法が成立された世界の不条理を描く。オチに当たる部分なのだが、本作の場合は別にいいだろう(^_^;)前半は、視聴者から見たテレビの有害さが書かれている。