思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

毎回同じ登場人物が役割を変えて出てくるところは東野圭吾名探偵の掟』と通じるところがある。
人狼病の恐怖」のように元ネタを読んでいても構わないものもあるが、「覆面作家は二人もいらない」のようにさっぱりわからないものもある。
終盤になるほど本格度が上がってくるので、気楽にパロディ小説だと思っていると「??」ということになってくる。
しかし、「万力密室!」あとがきの「せっかく西澤保彦さんの作品をもどくのだから、難読の名前を使ったトリックは盛り込みたかった。読めないはずの名前を読めたから犯人だとか、読み方を誤ったことによる人違い殺人とか」は是非実現してほしかった。しかし、これに限らず、あとがきに書いてある、実現しなかったアイデアのほうが面白そうなものばかりなのはいかがなものか…。

新・新本格もどき (カッパ・ノベルス)新・新本格もどき (カッパ・ノベルス)
霧舎 巧

光文社 2010-10-20