思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

地獄少女

今回も例によって救いがあるのか無いのか分からない話(悪い意味ではなく)。
権力構造というか力関係には上には上があるというか、依頼者にたかっていた不良がターゲットだったのだが、不良のボスに女を取られそうになって、依頼者の話を立ち聞きした不良がボスをターゲットに依頼する、という構造が面白い。
ミステリで言うなら犯人→被害者=犯人→被害者のドミノ倒しとでも言おうか。最初のターゲットも、最後には交通事故で死ぬので、とりあえず救いはあった、というところである。
作中の風俗描写がなかなか良くて、輪入道が人間どもの行いを見て、「悪いことをしたら地獄に堕ちるってことを忘れちまったからこういうことになった」とか、最初の依頼者が依頼を断念した理由で「あんなクズのために代償を払うなんて嫌だ」とか、慧眼がいくつかあった。あとはセルフパロディというか、不良があいの空間に行った時のヘンなところを突っ込んだりしてたのが面白い(あいにシカトされたのが笑えたが)。
毎回のお楽しみ(?)のお色気シーンは、川につかって沐浴しながら髪を梳く場面。
不良のボスが流された時にあいが啖呵切ったのも気っ風がよかった。