思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

地獄少女

大枠はベーシックな展開なのだが、中身は変化球。
柴田が見抜いたように、町長じたいは真面目な人物で、
息子がヤクザ的な発想で、癒着現場を撮影した男を葬ってしまう。
その男の娘が地獄少女と契約するのだが、
そういう事情を柴田から聞き、町長に謝罪させると電話されてもなお、
契約を実行してしまう。
唯一構成にアラがあるとしたら、なぜ謝罪を受けなかったか、ということだ。
父親との思いが強かった、という解釈でもOKではあるが…。
ま、それに柴田じたいが強請をやる悪質ライターだから説得力がない、というのもある。

今回の変化球ぶりは、
まず悪人が狙われなかった、ということか。
出てきた悪人はヤクザであり、町長の息子のほうである。
町長は見て見ぬふりをした罪はあるとはいえ、しっかり改悛もしてるし、
ある意味被害者である。
契約シーンがなかったのも変わってる。
冒頭の桜が散るシーンや、あいとおばあちゃんの会話でそれと知れるようにはなっているが。
シリーズを通して見ていないと何のことか分からない話ではあるなぁ…。
ファンとしてはそれくらいのほうが嬉しいが。

あと、変化球で出ていない球種の最大のものは、
やっぱり契約が実行されない、ということだが、
はてさて、いつ投げてくれるのだろう。