思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『風来忍法帖』読了

再読。香具師たちが主人公の異色長編。
初読時はあまりにも軽い奴らなのでちょっとどうかと思って印象が薄かったのだが、再読して評価はあがった。
忍法八犬伝』での、姫のために次々死んでゆく壮絶さ、『忍者月影抄』の幻妖さ、『くノ一忍法帖』のエロティシズムなど、さまざまな忍法帖の魅力がつまっているのみならず、素人が忍者に入門して修行する、という他にはない場面まである。
序盤こそ多少のんびりしている感じもするが、400ページ以降の息をもつかせぬ展開や、ラストの哀切さ、美しさはまさに名作と呼ばれるにふさわしい。
(「息をもつかせぬ」は「しっぷうどとう」と書きたかったのに、文字化けしてしまうのだ…(;_;))