思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

仮面ライダー響鬼

第16話「轟く雷」

今回は良かったなぁ。引っかかったのは明日夢の母がミーハーすぎるところくらいで、それ以外は完璧。

響鬼明日夢を弟子にする気がないということが表明されたことで、これからの番組の雰囲気が決定された。ヒーロー番組としては正しい(正統的な)選択といえる。二重の(二人の)ヒーローというのはややこしいし、こういう関係は斬鬼と戸田山で描いてるし。

斬鬼と戸田山の関係って凄くいいんだよな…。ある種の理想の先輩/上司というか。持田のいとこ、という設定がなくても充分に成立している話だが、これが明日夢たちとどう絡んでくるのか、期待したい。

クールな斬鬼と少しおっちょこちょいだが一生懸命な戸田山。これはどこかで見た構図だと思ったら、刑事ドラマだよなぁ…。コンビというのも一緒だし、男同士でハードな仕事、という点でも共通している。中盤の戸田山の修行シーンではただ陰から見ていて、戸田山流の戦い方(逆手ギター)を編み出した時に少し眉を上げる、という押さえた演技が渋い。

響鬼斬鬼・戸田山と電話するシーンも、戦隊ものとかの子供向けの分かりやすい演出ではなく、大人向けのしっかりした演技になっていて、猛士のメンバーの絆とか人間関係が見えてくる良い演出だった。

前半の戦いでは武器を戸田山に渡し、後半の戦いでは(引退したので)斬鬼はただ見ているだけ、という流れもいい。必殺技のギターは、10秒とかの短い間なのでメロディとかも難しいとは思うが、もうちょっと格好良くてなおかつ迫力ある曲はできなかったものか。バンドのメンバー紹介で弾くような感じの。

戦い終わった後、戸田山が素っ裸、というギャグがあったが、別に変身すること自体は初めてじゃないんだから少しヘンかも。ただ、これによって鬼に変身するのが宇宙刑事みたいなテクノロジーではなく、精神力でコントロールしていることが明らかなった、ということはポイントだろう。

最後、斬鬼が二代目斬鬼の襲名を遠慮した戸田山の新しい名前を「とどろき」とつけるあたりのコメディ調の演技・演出も面白かった。この名前、雑誌で見た時は変だな、と思っていたのだが、「“とど”ろき」という関西風イントネーションで発音していたから変に感じただけで、平板な関東弁で言えば成立するのだった…。