サイレント映画の元祖メトロポリスのほうも見たことがあるのだが、あまり内容は覚えていない。理想都市とロボットの叛乱を描いた話だったとは思うのだが…。
ヒゲオヤジ、ロック、ランプなど、手塚キャラが多数出ているのも楽しいが(石森章太郎の『ロボット刑事』なんかもいるが…)、ヒロインのティナも圧倒的な作画で大きな魅力を醸しだしている。
この手塚治虫−大友克洋−りんたろうバージョンは、ロボットと人間、ユートピアとディストピア、少年と少女、などのテーマを冒険アニメの伝統に則って描いた佳作になっている。題材としては『マトリックス』などとも近いし、街に氾濫するロボットの叛乱は『機動警察パトレイバー 劇場版』を思わせる雰囲気もある。
確かにストーリーは目新しいところはないといえるのだが、緻密な作画と最新のCGによって描かれる『未来少年コナン』や『天空の城ラピュタ』そして『ふしぎの海のナディア』などを思わせる少年と少女の恋、世界崩壊の危機と崩壊などは、懐かしいとすら言える。
とはいえ、ティナが覚醒するシーンはCGでもいいと思うが、ラストの大崩壊のシーンなどはいくら便利といっても手描きのほうが“力”があるよなぁ…。
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