思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

不連続爆破事件

☆☆☆★

80年代? のテレビスペシャル番組。なんとタモリ主演の、真面目なドラマである。
控えめながら渋いキャラ設定なので、わずかにある感情を爆発させるシーン以外は、違和感なく見られる。逆に、売り出し中の、江口洋介のほうがよっぽどセリフのヘタさが気になる。
警察の署員寮を狙った爆発テロが発生、タモリ、江口コンビが捜査を進めると、犯人には学生運動をやっていた過去があり、そこから人間関係の糸は、思わぬ連続殺人犯へと行き着く。
まあ、テレビドラマとしては当時すでに過去のものとなっていた学生運動の是非に楔を打ち込むという、テーマ性のあるものになっていて、ちゃんとした作品を作ろう、という熱意が感じられる。

以下ネタバレ

犯人が公安の捜査関係者(根津甚八)なのだが、そもそも学生運動やってた連中は警察、ましてや公安にはなれないでしょ?!(´Д`) 身上検査で跳ねられる。
身内である警官が犯人、というのも、まあありがちではあるが、いちおう意外な犯人と言える。
学生運動や爆弾テロがテーマということで、『人狼』『パトレイバー2』(根津甚八つながりでもある)に代表される押井守っぽい雰囲気。
学生運動の無意味さ、失敗に終わったことを江口洋介が熱弁するが、同席していた犯人に殴られる(その時は江口は知らない)くらいで、相棒かつ先輩のタモリはドラマの最後まで反論しない。当時から、機動隊として彼らを取り締まる側であったにもかかわらず、だ。
江口の否定を否定しきれなかったのは、テレビ局に学生運動上がりの連中が入っているから、なのかなぁ……。