思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

瀧夜叉姫(4)


☆☆☆☆☆

日本の歴史ロマンというか、伝奇マンガの最高峰を飾る作品が生まれた、という確信がある。
他の作品からのフィードバックもたくさん伺える。
平将門の鬼のビジュアルは寺田克也、将門の館からの脱出では、ピーター・ジャクソン映画の影響が大。館の俯瞰から馬の脱走を描いた見開きは、ロード・オブ・猿・リング 王の帰還でのミナス・ティリスをガンダルフが馬で駆け上がるシーンだし、板をサーフボードのようにして下りるのは同作や、『ホビット』でのレゴラス。階段が崩れるところも『ホビット』っぽい。ついでに言えば、そのあたりのモブキャラや、筆を使った描線は安彦良和タッチだ。
百目鬼の描写はギレルモ・デルトロ的だし、それを構成する百鬼夜行雨宮慶太っぽい。
52ページの筆を使った衣服から馬の描写、81ページの忍び寄る暗殺者たち。襲撃を迎え撃つランとの中での鎧の描写。
母にしがみつく娘を撫でる将門、22話の最後のページ。