思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

天地明察



☆☆★

風雲児たち』ファンからすると、江戸の改暦を成し遂げた人物といえば、高橋保時だが、岡田准一演じる本作の主人公はそうではなかった。
碁打ちで、星の観測が趣味という人物。それが、水戸藩主などの人脈で、北極星観測隊に同行し、改暦の一端に関わることになる。
山崎闇斎や、天才・関孝和もちゃんと(?)登場するあたりは、当時の日本の数学界事情を分かってるなぁ、というところ。
岡田准一は、一度は暦を作り、その正しさを証明するため、現在の暦と対決する。その方法は、日食が予想された日時に起こるか否か、というもの。当時は
それしか方法がなかったとはいえ、そんな頻繁に日食があったのかなぁ。
映画としては、最初の子読み対決に敗れてどん底岡田准一が怒って叫ぶのは、ちょっと子供(向け)っぽ過ぎると思った。それまでの作中の描き方からしても、もうちょっと静かに自分への不甲斐なさを憤るキャラだと思うけど。最後の対決で、日食が起こらないから切腹だと騒がせるとか、見え見えのミスリードとかいらないっちゅうねん。
全体的にわかりやすい演出で、日本映画の良くない面が出てる感じ。岡田准一の軽めのキャラを演じる演技力はさすが。