思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

トーキング・ヘッド 再

☆☆☆★

押井守監督によるコメンタリーは1、2回見直しているが、今回は主音声のみて鑑賞。『ハケンアニメ』を観てモヤモヤした理由を確認したくて(^^;)
まず、感じるのは「低予算やなー」ということと、「舞台演劇的演出」だ。
低予算であっても、濱口竜介みたいに、観るに堪える画面にできると思うのだが……。特に押井守監督は、アニメではそれかできているのになぁ……。構図もいちおう(動きのないカメラワークだから当然のこととして)凝ってはいるのだが、動かない画面要素を見続けるのは正直、しんどいものがある。予算の関係もあって、美男美女や絵になる中年も出てこないし。
本作は、アニメ制作の苦労というより、そも映画そのものの各要素についての「押井守論」が語られるに過ぎない。
ハケンアニメ』は、熱々の器だけがあって、中身がなかったのが不満だったが、本作は中身は極上のエスプレッソだが、冷えてるし、紙コップにはいってる、という感じか。
押井映画論じたいには引き込まれるものの、いささかエンタメ性が弱すぎる。それが完成したの『立ち食いしれつでん』」なんだよなぁ、と改めて痛感。素人(に毛が生えたような)に、プロの声優が声を当てる手法も、本作で既に取り入れられているし。