思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

修羅のむれ


☆☆☆★

劇伴が普通に良かった。乱闘シーンの、ピアノをメインにした曲とか。
最初は、町の柔道教室で柔道やってる若き松方弘樹がスカウトされるところから始まるので、『ごろつき』か『柔道一直線』みたいな話かと思ったら、『仁義なき戦い』だった。
北島三郎が、すぐ銃をぶっ放すシャブ中の暴れん坊を演じているのが意外。まあ、演歌歌手は大衆演劇ジョウでのドサ回りで歌と小芝居がセットだったりするから、演技はお手のものなのかもしれないけど。
しかし、こんな作り物とは言え、ヤクザを仁義と義理人情のヒーローみたいに描いていいんかね……? 実話を元にした物語でしょ? 本作を観る限りでは、時代劇的な悪者だけを斬る、ヒーローにしか見えないのだ。
若者から、暴力団の組長まで、立場にあった人物に見える松方弘樹の演技力も素晴らしい。