思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

特 刀剣乱舞 花丸 花の章

☆☆★

当然(?)川井憲次さんの音楽が だけが目的。シリーズ一作目はまあまあで、二作目はスルー。
今回は受け付けない部分が気になって、ダメだった。
川井さんの曲も、バトルもあるが、クライマックスにしても、待ってるメンバーのお祈りシーンとのカットバック編集のため、一本調子(というと悪い感じだが、良い意味で)で盛り上がらず、寸止め感がある。
不満点を列挙。
予告編から危惧していたダンスシーン。踊ることそれ自体の是非には触れないとして、よくある3DCGではなく、手書きで4人を頑張って動かしていたのは良かった。だが、わざわざ道端で和楽器のグループ(?)に演奏させておいて、ダンスにかかるのがドラムとかシンセのビートありの劇伴を川井さんに書かせるとは何事か!? そうするなら、劇中では音は鳴っていない事にするか、川井さんには、劇中に登場する楽器だけという発注で作曲してもらわないと(´Д`)(たぶん、そういうのは無視して、和風っぽいダンス曲、というオーダーだったんじゃないかなぁ)
テレビシリーズのころから、宇多丸師匠が『ガルパン劇場版』の時に評した「摩擦係数ゼロの人間関係」が、本作でもまさに当てはまっていて、非常に気色悪かった。今回の映画で、何に例えればいいのかようやく分かった。まるで小学生の男の子が活躍するアニメみたいなのだ。言葉尻が「だね」とか「だよ」ばかりなのも、オカマみたい、とも違うし、モヤモヤしていたのだが、小学生が主役の劇場オリジナルアニメとかにはよかあるパターンじゃない?
現実で考えれば、これだけたくさんの軍人が集まって、確執が起きない訳がないのだが、原作であるゲームとして考えれば、相性の良し悪しでユニットの戦闘力が変化する……というのはシミュレーションとしてはアリか(^^;) むしろ、萌え系ゲームとして、相性がわるいキャラを作ると、キャラ人気に凸凹が出来るのを嫌った、マーケティング上の養成だろう。この手のゲーム全般に言えることだろうけど。
夢の中というか、精神世界での戦い、というのはよほど慎重にしないと、テキトーでいい、という感じになるが、本作では悪い方に転んでいる。夢の中の平和な本陣のキャラが突然消えるのも、理由が分からんし。古代魚みたいな敵も、これまでの鬼型以上にキャラが弱いし、CG製のラスボスがこれまたキャラが弱い(´Д`)
さらに問題なのは、ラスボスを倒しても問題が解決しないこと。「あるじ」たる、誰だか分からない(誰でもなくて、誰でもある。男でも女でも受けるように、セリフすらない)やつを助けるため、と言われてもなあ。もし観客の心を救う、というなら、これまでの関係性を想起、掘り返すような、画面に向けて語りかけるような方向性で演出すべきで、本作で描かれているのは真逆。
何より、「祈り」で解決するなら、夢の中に入る必要もバトルの必要もなかったやん(´Д`)
夢の中での、建物の爆発の煙の作画は素晴らしかったけど。
そもそもだが、男だか女の子だか一見して区別できないキャラデザインには、いまだに受け付けない部分があるし(^^;)昔、小中学のころ、アニメ『パタリロ』を観ていて、今週に出てきたキャラこそ女性だろ、と思ったら「おまえも男かい!?」というのと似た感じ。