思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ミッション・マンガル

☆☆☆★

インド映画で、実話を元にした火星ロケットもの、となればSF/映画好きなら観ないわけには行かない。
冒頭は、ロケット打ち上げシーンだが、結果から言えば失敗。それはいいのだが(『アポ13』でも冒頭は1号の事故だった)、そのCGが20年前の日本映画みたいなレベルだったので、大いに心配になる。
幸か不幸か、ロケットはクライマックスになるまで出てこないのだが、やっぱりチープなのは変わりなかった(^^;)
とは言え、本作にはそんなのを心の目で補えるくらいのドラマ的なパワーがある。
物語は、冒頭の打ち上げに関わった責任者二人の、「負け犬たちのワンスアゲインもの」であり、『プロジェクトX』的な、池井戸潤的な企業内逆転ものでもある。
窓際的な火星プロジェクトに集められたメンバーが、男尊女卑的な意味で女性を中心に、老夫や占い依存症の頼りない男など。『少林サッカー』か『シン・ゴジラ』か、というダメダメなメンバーなのだ。
それが、さまざまなアイデアで、技術的にも予算的にも、機材的にも、不可能と思われた難題をクリアして、火星に到達する。打ち上げ前には、5日連続で雨が続いて、最終日の夕方に晴れる、という「ホントか?!」という障害も。
劇中で説明される宇宙物理学は、高校生レベルのもので、どれも理解できる。ただひとつわからなかったのが、自己修復する膜。いったいどういう原理で??
インド映画らしく、照明ガンガン当ててるんだろうな、という(夜でと)明るい画面。彩度や、人物の影の少ない感じも独特。
インド映画といえば歌と踊りだが、本作は地味なテーマなのでさすがにない……と思わせて、中盤にありました! まさかのみんなで職場を大掃除!(^^;)
踊りはそのシーンだけだが、同じその歌はその後も1、2回挿入歌として流れる。ノリもよくて楽しい曲なので、歌もの嫌いの私でも、抵抗感は全くなかった。字幕は出るが、何を言ってるのか聞き取れなかったので、もしなしてヒンズー語だったりした??