思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ターゲットキル』☆☆☆

自主制作っぽいが、それにしては頑張っている。『最強殺屋伝説諸岡』とか『ある用務員』、あるいは『ファイナル・レベル エスケイプ・フロム・ランカラ』に代表される、アメリカのテレビ映画みたいな雰囲気。
はたまた、『ゼイラム』とか『ミカドロイド』のような90年代のオリジナルビデオ的な予算規模のアクション映画の雰囲気。
逆に、自主映画(またはそれに毛が生えた程度)でそれ並みのクオリティまで引き上げているのは、かなり頑張っている、というところか。
そう感じさせるのは下手ではない演技は言うまでもなく、スピード感はそこまででもないが、1カット単位での見栄えのするアクションと、シンセ(コンピュータ)ながら、メロディアスな劇伴によるところが大きい。
演技は、アイドル映画とかにはこれより下手な演技がいくらでもある。
演出として、ある組織(警察関連のようだが、都合よすぎで、ツッコミを入れる気にもならない)から、選ばれた被験者への手紙の文章を、作中人物が黙読するだけで、観客には見せもしない、というのがスマートで良かった。
アクションも、ちょっと間が開くが、1カット(アクション)ごとの動きは、かなりよく出来ていて、しかも5、6人の主要キャラがみんな動ける、というのが素晴らしい。一つ要望があるのは、授業中にバレエの柔軟体操をしていた女子がアクションするのかと思いきや、そいつは戦わず、ノーマークだったピンク髪の方が戦う、ということ。てっきりバレエの柔軟性を生かした戦いを見せてくれると思ったのに。
物語は、『ターミネーター』的な、不意に強い奴が襲ってくる、というもの。それに加えて、強化人間/バーサーカー的な暗殺者、という感じ。はっきり言ってリアリティは皆無。何より、授業中の教室で物語進行に必要な会話をしている、というのが授業崩壊を経験していない真面目学校に行ってた私としては看過できない(´д`) 出てくる人が高校生に見えない、というのはしゃあないとして。クレジットとか見てると(エンドロールで後日談というか、主人公達がラーメン屋でだべっているのは○)、ホストとかホステスを中心にして作ったの? とか詮索してしまう。事前情報ゼロで観たので。

2015年 日本