思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ハワイ・マレー沖海戦

☆☆☆★

特撮ファンなら、基礎知識と言える円谷特撮の映画だが、意外と観る機会は少ないかも。
『あぁ加藤隼戦闘隊』みたいな映画だろうと思っていたが、ちょっと違った。
おそらく、真珠湾攻撃マレー沖海戦の成功を受けて、早々に製作・公開されたんじゃなかろうか。誰が観ても分かる、戦意高揚映画なのだ。
戦意高揚というより、国民に大して、予科練を経て海軍に入ると、こういう生活・人生が待っていますよ、というガイド的な意図が前面に出ている。普通の映画ならカットされそうな、日常の動作や、歌、訓示などがノーカットで流れるのだ。予科練の学生(?)が、次々と空中前方宙返りを決めるとか、凄すぎる・・・。
映像も、おそらくドキュメント的なものと、俳優が演じているところ、その比率は6対4くらいじゃないの? というくらい。
右翼人間としては、本作で言われている内容は、現在の目でみても、特におかしい部分はない。特に、個人主義にまみれた現代人とは真逆の、天皇陛下のためとまでは断言せずとも、日本のため、祖先及び子孫のため、という立脚点は必要であろう。
ミリオタとしては、当時に、本物の零戦や、空母(赤城?)などのクローズアップが見られる、という点では見逃せない。冷戦のプロペラの軸の先端がシャープな円柱だとか、空母の甲板支柱が細いとか、興味深かった。
肝心の、特撮的視点では、伝説として言われているような、米軍がこれを観て実写フィルムかと思った、というほどでもなかった。現代の特撮オタク的な鋭い視点だから見分けられるのであって、当時、メイキング映像とかを知らない一般人はミニチュアで再現できる、という発想自体がなかったからそう思ったのかな?

1942年 日本