思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ミニオンズ フィーバー

☆☆☆

原題は『ミニオンズ ライズ オブ グルー』、素直に訳せば『怪盗グルーの誕生』というところか。これ、『ミニオンズ2』?
調べると、『ミニオンズ』の正統続編ではあるが、その間に怪盗グルーのシリーズが2、3作品あるらしい、ねじれた続編。
冒頭、ミニオンが全く登場しないどころか、笑いすらほぼない『インディ・ジョーンズ』的な冒険アクションが続くので、「これ、ダメ作品では?」という危惧を抱いた。しばらくすると、ミニオンは出てきたが、あくまでも本作の主人公はグルー。ミニオンズはバディ的な扱い。
第一作『ミニオンズ』のスカーレットに該当する大悪党が、ヴィシャス6というグループ。そのリーダーだったじいさん(『ビルとテッド』のワイルド・スタリオンズみたいな名前だったが、覚えられん(^^;))
グルーは、本作ではまだ子供。『ミニオンズ』のラストでは大人だったと思うので、時系列的に矛盾すると思うのだか……。
そこは百歩譲るとして、グルーはヴィシャス6に憧れ、入ろうとする。ところが、リーダーのじいさんはクーデターで追い出され、アフロの姉ちゃんがリーダーに。グルーは、入団試験でミスしたミニオンをクビにする。ミニオンはグルーを、おいかけ、助けるためにサンフランシスコでたまたま出会ったカンフーマスターのおばちゃんにカンフーを習う。これ、楽しいが、野生を解放するとか、『クレヨンしんちゃん』のいくつかを合わせたミックスした感じ。『ミニオンズ』や本作のCM、予告編から、本編は『ラーメン大戦』とか『忍風帖』みたいな話かも思っていたら、前線違ったのだ。
要するにドタバタ、クライムアクションであることは違いないので、子供が普通に観ていて楽しい冒険アクションアニメではある。
ただ、大人として真面目に検証すると、やたら複雑な構造になっているのだ。
ヴィシャス6

元リーダーのじいさん

グルー

ミニオン←カンフーおばちゃん
みたいな階層になっている。じいさんとカンフーおばさんはやや斜め上に位置するのかもしれない。
これに加えて、本作で「新たなミニオン」と宣伝されているオットー(ちゃんと第一作品『ミニオンズ』から登場しているぞ。区別しづらいからはっきり分からんけど(^^;))は、ケビンたちとは別行動を取る。
このキャラクター配置にするなら、ヴィシャス6を追放されたじいさんとミニオン、ヴィシャス6とグルーを対抗させてお宝争奪戦、というお話にすべきじゃないかなぁ。
ヴィシャス6のそれぞれの乗り物に関しては、それぞれのキャラに沿ったデザインになっているのが楽しい。
これだけでも『マッドマックス 怒りのデスロード』とかそれのパロディ『クレヨンしんちゃん』の某映画のような、カーレースでも良かったのに、勿体ない。