思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

カンニング・モンキー 天中拳


☆☆☆★

オープニングから、カンフー映画あるあるのコント。しかもドリフがやるようなベタベタのやつ。
ちょっとカンフーはかじってはいるものの、素人相手ならともかく、本格的な拳法家にはまったく歯が立たないゴンことジャッキー。勘違いや漁夫の利から、高名な憲法家に間違えられ、調子に乗るが、結局は化けの皮が剥がれる。でも、普通なら半殺しの目にあうとか、恋人が殺される、とか酷い目に遭うのが物語の常道なのに、たまたまあった達人に無償で拳法をのみならず奥義まで教えてもらえる、というのがジャッキー的なお気楽映画。そう、本作はチャップリンか、というくらいのコメディ映画なのだ。
出てくる人物はみんな顔芸が達者で、動きもオーバーかつコミカル。おまけに、全てのアクションに効果音が当てられていて、まるでサイレント映画のよう。ジャッキーブームとして、老若男女に受けたのも、こういう映画で間口が広がっていたからじゃないかな。私も、なんとなく子ども時代にテレビで観たような気がする。
オーバーアクションのためか、ジャッキーは修行前から、身体能力が結構高い。いちおうやられた殺陣なのだが、普通に倒立したり、通の目はごまかせない、と取るか、拳法手引き書を一目見ただけでマスターできるだけの素養はある、という表現なのか……?
ストーリーも何もない、ただその話楽しければいい、という感じではあるが、クライマックスには、4グループくらいいた悪役が、手を結んで一斉におそってくる、という展開が面白かった。普通なら敵わないところだが、ジャッキーたちは半分以下の人数で、なんとなく勝ってしまう(^^;)
ラストバトルでも、緊張感に欠ける戦いで、それでいて敵は矢が刺さって死ぬ、という人(特に敵)の死が軽いのは、コメディ映画のお約束。
リー・リンチェイ登場以前なので、超絶アクションも特になかったかな。