思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

紙の月

☆☆★

一見良さげだが、私には全然ダメだった。
第一に、宮沢りえが見るに耐えない(^^;) カットによっては和田あき子にしか見えなかったり(´Д`)
不倫する理由が描かれないのも不満。あんな見てるだけで付き合えるなら、オレでも付き合えるわ(爆)(´Д`)
まあもちろん、本作は不倫映画ではなく、本人の体質による自爆映画なのだから、そこは敢えてオミットしたのかもしれないけど。
むしろ、宮沢りえの横領をつきとめる小林聡美の探偵映画としての側面のほうが、よほど感情移入できた(私が中間管理職だからか)。まあ、ちょっとしか描かれないけど。
音楽の使い方(劇伴)にも、かなり疑問を感じたなぁ。少なくとも、定番の音楽から外した曲調が多かった、ということはいえる。

以下ネタバレ

要するに、本作は宮沢りえが「他人に尽くす(金銭的援助する)ことで満足感を得る」という性癖のままに行動した結果、不倫(先の見えない大学生を助けたい)や横領をした、という話。
探偵たる小林聡美宮沢りえを追い詰めたところで、いきなり椅子でガラスをぶち割って逃走するところは、正気の沙汰とは思えなかった。その後、東南アジア某国的なところで、学生時代に寄付を送った子供が成長した(顔の傷があったので分かったという、ご都合主義的設定)のに出会うとか、いい話っぽいオチにしてんじゃねぇ! と言いたくなる。自分のわがままでどんだけ他人を振り回してるんだ、という。まあ、そういう話はいっぱいあるのでいいのだが、宮沢りえにもうちょっと一貫性というか、薄幸な感じの、破滅主義的な傾向で描写を貫徹してくれれば、良かったのだが。やってることはピンク映画『悦楽交差点』と大差ないのでは?(^_^;)