思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『ビルとテッドの時空旅行』☆☆☆★

トップガン マーヴェリック』が約40年ぶりの続編とか言ってるけど、その前にこれがあったんだよっ! と言いたいのが『2』から約30年ぶりの続編である本作。当然、主演二人も続投の直接の続編なのだ。
原題は『Bill & Ted Face the Music』。1作目から、設定だけは語られつつ、実態の分からなかった、二人が世界を救うことになった音楽とは何か、について正面から向き合ったのが本作。まさしく三宅隆太監督の言う「パート3は、パート1が好きだった人のための作品」である。
改めて、キアヌ・リーヴスの微妙なダサさがマッチしているのが本シリーズのテッド役だよなぁ(´д`)
世界を救う曲が書けないから、未来へ行ってカンニングしてこよう、と言う発想がタイムトラベルありの世界観なら、誰もが思いつくアイデアだが、コメディ映画たる本作なら大いにアリ。期限を過ぎてもできていないから、どんどん未来へ行く、と言うのも馬鹿馬鹿しくて良い。老人ホームにいるくらいの未来にはできているのだが、それが入ったUSBは壊れてしまう。
並行して、二人の娘(結婚したのが過去の王妃だった、と言う『2』の展開は完全に忘れてたなぁ)の方はいろんな過去へ遡って、天才ミュージシャンたちをスカウトして、ドリーム・チームをつくろう 、と言うのも面白い。少なくとも映画2本分もアイデアであり、1作で2倍楽しめる。
未来からはロボットが作曲を邪魔(抹殺)しに来て、その設定がまんま『ターミネーター』なのも楽しい。ビジュアルは『ゼットマン』みたいだが、性格(があるのよ、ロボットのくせに)はヘナチョコなのが本作らしい。顔も死神に(敢えてなのか)よく似ているし。
最後にやってきた「約束の場所」で演奏するのが、キアヌたちでなく、二人の娘、と言うのも上手い。彼女たちがキアヌと別行動でバンドメンバーを集めていた説明にもなっているし。
で、世界を救う曲とはどれだけ凄いのか? 『21世紀少年』など、こう言うのを説得力あるものにするのは難しいが、本作ではなかなか良さげにできていたと思う。全部フルで聴かせないのも小技が光る演出。

2020年 アメリ