思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ブラックホーク・ダウン


スペシャル・エクステンデッド・エディション
☆☆☆☆★

劇場公開版を(テレビで観たのを)含めて、3回目くらいか。やっぱり面白くて、早送りすることなく観てしまう。
最初の、いわゆる登場人物紹介パートも、ソマリアの激しい日差しと暑さを感じさせるかのような、薄茶色系の色調と、どのカットでも顔の半分は影、というくらいコントラストの強い画面。そして、多数の登場人物を次々と紹介していく。あまりに多いので、覚えられないが、まあ、だいたい分かればOKだろう。主人公を一人に限定しなかっと事も、本作の特徴。もしこれが、オーランド・ブルームとか、イアン・マクレガーのような、当時若手の兵士の視点で、基地を回る、というような構成だったら、移動シーンがそれぞれに入るだけでも間延びして、このようなテンポは出なかっただろう。
コントラストという意味では、米軍のヘリがどれも真っ黒、というのもそう感じさせる。砂漠だったら黒は熱を吸収して熱そうだし、何より迷彩効果からして、サンドイエローかグレーにしそうなもんだが……。また、公開当時は知るべくもないのだが、現在では、黒はis is、いわゆるイスラム国のイメージカラーになっているので、そのへんも複雑(^^;)
ヘリが落ちてからは、もう銃撃戦、撃ち合い、爆発、死傷者の文字通りオンパレード。薬莢も自動小銃からも銃機関銃からも落ちまくり。特にセリフはないが、薬莢が熱いことも、しっかり描かれている。
音楽も、戦闘が始まったら劇伴なしでもいいくらいだが、時折アフリカンなスキャットや、感傷的なメロディーが入ることで、メッセージ性を醸し出している。ニクイ仕事ぶりだから、誰かと思えばハンス・ジマーだ。
戦闘では、ゾンビのようにワラワラ走ってくる黒人たちがとにかく怖い。それだけかと思いきや、最後には撤退する米兵たちと一緒に走る友好的な現地人たちもいたりして、なかなか世の中は簡単ではないことも感じさせてくれる。
命中率について、ちょっと気になったことも。いくら精鋭のデルタフォースやレンジャーとはいえ、拳銃を二連写して、20メートル先の相手を2人しとめられるものだろうか?