思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

ヤマタイカ(5)


星野之宣
☆☆☆★

6巻が完結だと思っていたのだが、文庫は本巻がラストだった。
南からのええじゃないか集団と、北海道からのええじゃないか集団が、自衛隊の封鎖を突っ切って東京へ。このへんのリアリティは、防衛出動を、いち方面司令官が命じたりと、かなりいいかげん。
また、両集団にも、感情移入しうるキャラがいないので、単なるキチガイ集団か、よくてバカ騒ぎにしか見えない。左翼的立地点か、観ると、大衆/市民のチカラ、とでも感じて興奮できるのだろうか?(´Д`)
大和VS自衛隊、あるいは米軍も、自衛隊はソフト面でもハード面でもダメダメだし、米軍は「ファラデルフィア実験」の時の磁場兵器を持ち出すという、トンデモというか伝奇作家らしいネタを繰り出してくる。おかげで、SF的なリアリティはなかったなぁ。
結論が、これだけの大騒ぎと国土の崩壊が、騒ぐための騒ぎ、という結論だもんなぁ。エピローグもちょっと『沈黙の艦隊』のそれっぽい。