思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

踊り子行状記


☆☆☆★

市川雷蔵勝新太郎、ヒロインに山本富士子というスター映画(?)。
タイトルから内容が全くわからないのが厄介なのだが、『踊り子〇〇記』とかいうシリーズ(にする予定)だったのかな?
はずみで役人を殺してしまった勝新太郎。彼には母がいる、ということで、雷蔵が身代わりとして、自分が殺したことにして、懇意の商家の2階に匿われる(世に隠れ住む)ことになる。彼を慕う山本富士子演じる踊り子は、密かに彼の元に通う。富士子のライバルである踊り子は、彼女の不自然な行動から、雷蔵に捕手の手が伸びようとする。
一方、勝新のほうと、自分の殺人を親友に押し付けた結果になった自責の念に駆られ、自首するが、取り合ってもらえない。
最終的には、二人で路上で大立ち回りを演じることになる。おおかたそんなこったろうと思ったとおりだが、そんなら、隠れずに最初から大暴れしとけば良かったのに(^^;)
おまけに、10人近く殺しておいて、雷蔵は富士子とともに江戸払いだけ、しかもしばらくの間だけ。まあ、公議ではなくて藩内の臣下に対する殿様の沙汰だから、適当なものかもしれないけど。
ストーリーも撮影も脚本も特にこれといった見るべきものはないが、観る価値はないかと言うと、そうとも言えない。
私的には、山本富士子というアイドル(当時ならスター)映画だと思っているので、彼女が綺麗に撮れてるから、それで充分といえるかもしれない。ことに市川雷蔵と並んでいると、ほんとに美男美女(現在は子供にだけ使う形容詞だが)を指して「お人形さんみたい」というのが、まさしく妥当だと思える。『怪談』の黒木瞳とかは文楽人形だったが、本作の山本富士子市川雷蔵雛人形のよう。