思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

クレヨンしんちゃん 金矛の勇者


☆☆☆☆

乱暴に言えば、『不思議の国のアリス』プラス『ピーターパン』か。
ラスボスは、ジョーカーがモチーフ。『クレしん』といえばオカマ、なので、まともな男だったことが意外(^^;) 銀河万丈氏の渋いキャラである。左右で黒白分かれているので、あしゅら男爵を連想させるが、左右で人格が違う、ということはない。
……と思っていたら、クライマックスで意外な理由(活躍)があるとは?! しんちゃんが金の剣であっさり一刀両断したと思ったら、半身な生えてきて、白と黒の2人に分かれるのだ。観ている間は気づかなかったが、完全に『エヴァ』の「瞬間、心重ねる」使徒そのものじゃないか?! 完全にパロってるのに、そう感じさせないのはさすが、というべきなのか。
本作でも、日常を侵食してくる演出は素晴らしい。
ピーターパンが実は女の子、というのは舞台で演じているのが女性ということへのパロディだろう。
ちなみに本作では春日部防衛隊は活躍しない、野原家の話となっている。
娯楽作品としてはほぼ文句のつけようのない(だからと言って、大傑作というわけでもない)佳作となっている。
日常を侵食する異世界の描写も、不思議の国のアリスとも、『まどマギ』のよう(先取り?)とも言える、まさに非日常、異常な怖さがある。