思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

『騙し絵の牙』☆☆☆☆

誰もが言うことだが、予告編からして騙される。もちろん意図的だと思うが、ミステリーファン向けにそうした、と言うよりもアホな大衆にむけて、わかりやすい逆転劇、再起劇にしてるんじゃないかな、と悪い意味にしかとれない(´д`)
文藝春秋角川書店を混ぜたような出版社の社内の権力闘争と、小説誌と情報誌の対立、作家と編集者、と言う3重の対立に、それぞれクロスオーバーする権謀術数と、お仕事ものとしての理想と現実まで合わさり、恋愛ドラマのような余計な要素を配して、どんでん返しでスピーディーに編集した娯楽作。
國村隼演じる大作家が、筒井康隆京極夏彦を合わせたような(どちらかと言うとかなり前者寄り)で面白い。

2021年 日本